どうも、宅建士のけんまるです。
家の売却を考えたときに、どんな不動産屋に依頼するかは結構重要で、ハズレ不動産屋を引かないチェックポイントがあったり、状況別で使い分けがあります。
ぜひこの記事を読んでお役に立てたら嬉しいなと思います。
家を売るならどこがいい?──結論は「人によって違う」
家を売るとき、多くの人が最初に思うのは「どの不動産会社に依頼すればいいのか?」という疑問です。ネットで調べると「おすすめランキング」や「この会社が一番高く売れる!」といった情報も出てきますが、実際には 「誰にとってもベストな会社」など存在しません。
なぜなら、不動産の売却は物件の種類・立地・売りたいスピード感・売主の希望によって最適解が変わるからです。
☑地域に詳しい会社を求める人なら地元の不動産会社が有利
☑とにかく早く現金化したい人なら不動産買取専門業者が向いている
つまり、「家を売るならどこがいい?」の答えは一律ではなく、あなたの状況や希望によって変わるというのが現実です。
このあと具体的に「大手がいいケース」「地元がいいケース」「仲介か買取か」など、タイプ別に解説していきます。
家を売るなら大手不動産会社がいいケース
不動産売却で安心感を求めるなら、まず候補に上がるのが「大手不動産会社」です。大手には長年の実績と全国規模のネットワークがあり、多くの売主に選ばれてきた理由があります。
知名度・ブランド力で安心して売りたい人
大手不動産会社はテレビCMや広告でもよく目にするため、社会的な信用度が高いのが特徴です。売主としても「名前を聞いたことのある会社」に任せられる安心感がありますし、買主側から見ても「大手が扱っている物件」というだけで信頼度が上がります。
広告力を重視して家を売るならどこがいい?
大手は広告予算も豊富で、自社サイト・複数の不動産ポータルを使って集客します。その結果、買主候補に広くアプローチできるため、短期間での成約や高値売却につながる可能性があります。
中には1社だけという不動産屋もありますので、できるだけ掲載サイトが多いと早く買主の目に留まりやすいですね。
高額物件や特殊物件を扱う人に向いている
富裕層向けの高額物件や投資用マンションなどは、買主が限られており、ネットワークと販売力が重要です。大手には法人顧客・投資家とのつながりがあるため、こうした特殊物件でも買い手を見つけやすい傾向があります。
家を売るなら地元不動産会社がいいケース
大手の安心感は魅力ですが、すべての売却において大手がベストとは限りません。地域に根付いた地元不動産会社に依頼した方がスムーズに進むケースも多くあります。
地域事情に詳しい会社に頼みたいとき
地元不動産会社は、そのエリアの相場感や生活環境に精通しています。学区の人気度や近隣の開発計画、駅までの利便性など、細かいポイントを理解しているため、買主に刺さるアピールが可能です。大手では拾いきれない「地域ならではの価値」を反映した販売活動を期待できます。
早く手続きして売りたいとき?
地元不動産会社はフットワークが軽く、査定から広告、案内、契約までスピーディーに対応してくれる傾向があります。特に「転勤で早く売りたい」「維持費をかけられない」といったケースでは、大手よりも地元の方が即動いてくれる場合があります。
空き家・相続など細かい対応が必要なケース
空き家管理や相続登記、地元司法書士との連携など、手続きが複雑なケースでは、地域に強い不動産会社のサポートが頼りになります。大手では「定型業務」に当てはまらない案件が後回しになりがちですが、地元会社なら他業種との連携も柔軟になる可能性が高いです。
家を売るなら仲介?それとも買取がいい?
不動産を売る方法には大きく分けて 「仲介」と「買取」 の2種類があります。どちらを選ぶかで、売却価格やスピード、手間のかかり方が大きく変わります。
仲介で売るメリット・デメリット
仲介は、不動産会社が広告を出して買主を探し、成約を仲立ちする方法です。
⚠デメリット:売却まで数か月かかる場合がある/内見対応など手間が多い
「少しでも高く売りたい」という人には仲介が向いています。
買取で売るメリット・デメリット
買取は、不動産会社が直接物件を買い取る方法です。
⚠デメリット:仲介より売却価格が安くなる(相場の7割程度になることもある)
「早く現金化したい」「空き家をすぐに処分したい」という人には買取が向いています。
家を売るならどっちがいい?判断の目安
☑ 高値売却を優先する人 → 仲介
☑ スピード・確実性を優先する人 → 買取
まずは両方の査定を取って比較する のが理想です。
どちらが良いかは「売主の状況次第」です。迷ったときは、仲介と買取の両方に査定を依頼してみて、金額差とスピード感を比べると判断しやすくなります。
宅建士が解説:家を売るならどこがいいかを判断するチェックポイント
不動産会社を選ぶとき、査定額の高さだけで決めてしまうのは危険です。宅建士の立場から見ると、「売主の利益を守れる会社かどうか」 を冷静にチェックすることが大切です。
不動産屋ってどこでも一緒でしょ、と思わないでください。いい加減な会社結構あるんです💦
両手仲介にこだわらない会社であること
まずは「片手仲介」と「両手仲介」を把握してほしいです。
不動産会社Aが「売主」を担当、不動産会社Bが「買主」を担当する形です。片方からのみ仲介手数料を受け取ります。
👉 売主にとっては、不動産屋が完全に自分のミカタになってくれるのが利点です。また他社からの買主紹介もスムーズに受け入れやすく、販売チャンスが広がるというメリットもあります。
不動産会社が「売主」と「買主」の両方を同時に担当し、双方から仲介手数料を受け取る形態です。
👉 会社にとっては利益が大きい一方、売主にとっては「勝手に他社の買主紹介を断られる(囲い込み)」リスクがあり、必ずしも有利ではありません。不動産屋は早く成約したいので、売主と買主の双方の妥協点を目指す傾向があります。
💡 端的に言うと
片手仲介=売主の味方になりやすい
両手仲介=会社の利益を大きくするため、売主に不利になる場合もある
また、不動産会社が自社で買主を囲い込み、両手仲介にこだわるケースもあります。「両手仲介にこだわりますか?」と聞いても正直には答えてくれないので、回避しようがありません。
後で紹介しますが、「売主の片手仲介を優先します」という会社もあるので、選択肢に入れておくとよいです。
査定額の根拠を説明できるかチェック
相場に精通してると大体の査定は出来てしまうものです。なので「◯◯◯万円ぐらいですね」と簡単に言われるかもしれません。このタイミングで「よければ媒介契約してください」と急がせるような会社は一旦保留にしたほうが良いです。
そして、売出価格、チャレンジ価格、早期売却価格を提示してくると思います。急いでなければチャレンジ価格(高額)で売り出して、反響が少なければ徐々に価格を適正価格に近づけていくのが一般的です。そのほうが売主の機会損失が少ないからです。
そのような説明がある会社だといいですね。
仲介手数料の説明があるかチェック
仲介手数料は法律で上限が決まっていますが、実際の計算や諸費用を丁寧に説明してくれる会社が安心です。基本的には売却価格の3%+6万円の消費税です。ただし800万円以下で売却した場合は税込33万円で固定と覚えておいてください。これが上限です。
これより多く取ろうという会社は昨今無いと思いますが、チェックしておいてください。
ホームインスペクションの説明があるかチェック
2023年頃から導入されつつあるのがインスペクション=建物調査です。土地売りじゃなくて土地+建物での売却を検討中の方向けの話です。
このインスペクション説明の有り/無しを確認してください。最近導入されたので不動産屋が忘れてる可能性もあるので、こちらから聞いてもいいです。
インスペクションの実施には利点もありまして。主要構造(屋根・壁・床等)に欠陥が無いことが判明すると買主としても買いやすくなり、後からのクレームも制限でき、お互い安心して取引が可能になります。
トータルでかかる費用についてチェック
売却完了までにかかるトータルの費用の説明もあると安心するでしょう。例えば以下のようなものです。
☑残置物撤去費用
☑建物解体費用
☑建物の修繕費用
☑土地の測量費用
これらを売主が全くやらない、という事ももちろん可能です。費用に関してはどちらが負担するか、あるいは売買価格に反映させるかは調整になります。売主の意向を通してくれる不動産屋かチェックしましょう。
全体的な対応についてチェック
全体的な営業マンの対応は常にチェックしておいてください。
例えば口頭だけでなく、「正式な査定を見積もって”資料”をお出しします」と、査定額の根拠を明示する会社の方がしっかりしています。売主側に立って不安を解消したり、丁寧な説明、手順を踏んで段階的に進めようという姿勢が見えるかチェックしてください。
不動産は高額なので、手間を省こうとしたり。曖昧で進めようとすると後々トラブルの元になりえます。
全国展開している大手不動産会社(参考)
「家を売るならどこがいい?」と考えたとき、多くの人がまず思い浮かべるのは全国規模で展開している大手不動産会社です。ここでは代表的な会社をいくつか紹介します。いずれも知名度が高く、売却実績や広告力に強みを持っています。
三井のリハウス(三井不動産リアルティ) | 全国に広がる店舗網と業界トップクラスの売買実績を誇ります。特に都市部では高い集客力を発揮し、成約件数が多いのが特徴です。 | 公式 |
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東急リバブル | 首都圏を中心に強い販売力を持つ会社です。大手ならではの広告戦略や安心感に加えて、富裕層物件の取り扱いにも実績があります。 | 公式 |
住友不動産販売(ステップ) | 大手不動産グループの一角であり、知名度の高さと信頼感があります。店舗数も多く、全国でバランスよく対応可能です。 | 公式 |
野村の仲介+(野村不動産ソリューションズ) | ハイエンド層の顧客ネットワークを持ち、都心部の高額物件に強いのが特徴です。ブランド力を重視する人には選ばれやすい会社です。 | 公式 |
センチュリー21 | 全国にフランチャイズ展開しているため、地方都市でも店舗が見つかりやすいです。地域密着と大手のブランド力を兼ね備えています。 | 公式 |
ハウスドゥ | フランチャイズ方式で全国展開。不動産売買仲介に特化。買取保証付き仲介や即時買取など多様な売却メニューが強み。※店舗によって対応品質に差あり。 | 公式 |
住宅情報館 | 主に戸建て・中古住宅の売買を扱う。関東圏中心で、エリア依存が大きい。関東近郊では強みを発揮。 | 公式 |
ピタットハウス | 全国にネットワークを持ち、売却査定や買取保証付き売却も実施。店舗によって売買仲介の得手不得手があるため、経験実績の確認が必要。 | 公式 |
大和ハウスグループ(Livness) | 売買仲介・買取・リノベーションまで幅広く対応。全国展開を目指しているが、店舗数やエリアカバーは要確認。 | 公式 |
大京穴吹不動産 | オリックス系。複数地域で展開し、仲介実績あり。地域によって得意不得意があるため、エリア実績を確認したい。 | 公式 |
スターツグループ | 複数都道府県で展開。売買仲介も扱うが、店舗ごとに強みが異なるため、売買実績をチェックしたい。 | 公式 |
その他の大手(銀行系・デベロッパー系) | 三井住友トラスト不動産販売、みずほ不動産販売、三菱UFJ不動産販売など、銀行や大手デベロッパー系の会社もあります。金融や開発部門との連携が強みです。 |
「売主の味方」になってくれる不動産会社はSRE不動産
不動産会社は本来「売主と買主の間に立って取引を仲介する立場」ですが、現実には 「両手仲介」 を狙う動きがほとんどです。売主の利益を守るためには、この仕組みを理解し、両手仲介を重視する会社や担当者を選ばないのが最適です。しかし正直言ってそれを事前にチェックするのは困難なのですが…
そこで近年でてきた売主・買主いずれか一方の利益だけを徹底して守る「片手仲介」を打ち出す会社を紹介します。
SREリアルティ
代表例が東証プライム上場の SREリアルティ で、ソニーグループでもあります。エージェント制を採用し、売主側に専任でつく仕組みを整えています。
こうした会社に依頼すると、両手仲介の利益相反リスクを避けられる可能性があります。
家を売るならどこがいい?複数社を比較するのが失敗しないコツ
「家を売るならどこがいい?」と悩むとき、最も効果的な方法は 複数の不動産会社に査定を依頼して比較することです。会社によって査定額や売却戦略が大きく異なります。
私が勤務してる不動産屋も一括査定サービスを不動産屋として使っています。
一括査定サービスとは
この手のサービスは、依頼人の最寄りの複数不動産屋に一斉に通知をします。
すると不動産屋にメールが飛んできて、依頼主・メールアドレス・物件所在・土地建物面積・地区年月などが通知されます。
その後、不動産屋としては電話で依頼主にアポイントを取って、現地査定の日程調整をお願いする流れです。
一括査定サービスを使うメリット
・大手と地元を同時に比較できる
・各社の「査定額の差」や「担当者の対応の差」がはっきりわかる
何社も相手をするのが面倒くさいというデメリットはありますが・・・
結果として、「高く売れる可能性」や「信頼できる担当者」を見つけやすくなります。
この点からあまり使いたくない、使ってない不動産屋も多いので、一括査定サービス+自分で探した不動産屋にヒアリングするのも悪くありません。
有名な一括査定サービス一覧
・HOME4U(NTTデータ系、実績豊富)
・イエウール(提携会社数が多く幅広い)
・SUUMO売却一括査定(リクルート運営、知名度が高い)
・すまいステップ(成約につながりやすいと評判)
・HOMESの一括査定
どれも無料で利用できるため、最初の一歩として試しやすいサービスです。
まとめ:家を売るならどこがいい?──まずは複数社を比較しよう
「家を売るならどこがいい?」という問いに、万人に共通する唯一の正解はありません。
重要なのは、自分の状況に合った不動産会社を選ぶこと です。
→大手不動産会社はブランド力・広告力が強く、高額物件や安心感を求める人に向いています。
→地元不動産会社は地域の事情に精通し、スピード感や柔軟な対応を重視する人におすすめです。
→仲介と買取の選択は「高値かスピードか」という優先順位によって決まります。
さらに、両手仲介のリスクや囲い込みの問題もあるため、売主の利益を守ってくれる担当者かどうか を見極めることが欠かせません。
そして最後に大切なのは、必ず複数社を比較すること。査定額や担当者の対応を比べるだけで、売却の結果は大きく変わります。
👉 迷ったら、まずは一括査定サービスを利用して相場感をつかみ、自分に合った会社を選ぶのが失敗しないコツです。