(宅地建物取引士としてすべき事務の禁止等)
第六十八条 都道府県知事は、その登録を受けている宅地建物取引士が次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該宅地建物取引士に対し、必要な指示をすることができる。
一 宅地建物取引業者に自己が専任の宅地建物取引士として従事している事務所以外の事務所の専任の宅地建物取引士である旨の表示をすることを許し、当該宅地建物取引業者がその旨の表示をしたとき。
二 他人に自己の名義の使用を許し、当該他人がその名義を使用して宅地建物取引士である旨の表示をしたとき。
三 宅地建物取引士として行う事務に関し不正又は著しく不当な行為をしたとき。
2 都道府県知事は、その登録を受けている宅地建物取引士が前項各号のいずれかに該当する場合又は同項若しくは次項の規定による指示に従わない場合においては、当該宅地建物取引士に対し、一年以内の期間を定めて、宅地建物取引士としてすべき事務を行うことを禁止することができる。
3 都道府県知事は、当該都道府県の区域内において、他の都道府県知事の登録を受けている宅地建物取引士が第一項各号のいずれかに該当する場合においては、当該宅地建物取引士に対し、必要な指示をすることができる。
4 都道府県知事は、当該都道府県の区域内において、他の都道府県知事の登録を受けている宅地建物取引士が第一項各号のいずれかに該当する場合又は同項若しくは前項の規定による指示に従わない場合においては、当該宅地建物取引士に対し、一年以内の期間を定めて、宅地建物取引士としてすべき事務を行うことを禁止することができる。

(登録の消除)
第六十八条の二 都道府県知事は、その登録を受けている宅地建物取引士が次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該登録を消除しなければならない。
一 第十八条第一項第一号から第八号まで又は第十二号第十八条 試験に合格した者で、宅地若しくは建物の取引に関し国土交通省令で定める期間以上の実務の経験を有するもの又は国土交通大臣がその実務の経験を有するものと同等以上の能力を有すると認めたものは、国土交通省令の定めるところにより、当該試験を行つた都道府県知事の登録を受けることができる。ただし、次の各号のいずれかに該当する者については、この限りでない。
一 宅地建物取引業に係る営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者
二 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
三 第六十六条第一項第八号又は第九号に該当することにより第三条第一項の免許を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者(当該免許を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しに係る聴聞の期日及び場所の公示の日前六十日以内にその法人の役員であつた者で当該取消しの日から五年を経過しないもの)
四 第六十六条第一項第八号又は第九号に該当するとして免許の取消処分の聴聞の期日及び場所が公示された日から当該処分をする日又は当該処分をしないことを決定する日までの間に第十一条第一項第五号の規定による届出があつた者(宅地建物取引業の廃止について相当の理由がある者を除く。)で当該届出の日から五年を経過しないもの
五 第五条第一項第四号に該当する者
六 禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者
七 この法律若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反したことにより、又は刑法第二百四条、第二百六条、第二百八条、第二百八条の二、第二百二十二条若しくは第二百四十七条の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者
八 暴力団員等
九 第六十八条の二第一項第二号から第四号まで又は同条第二項第二号若しくは第三号のいずれかに該当することにより登録の消除の処分を受け、その処分の日から五年を経過しない者
十 第六十八条の二第一項第二号から第四号まで又は同条第二項第二号若しくは第三号のいずれかに該当するとして登録の消除の処分の聴聞の期日及び場所が公示された日から当該処分をする日又は当該処分をしないことを決定する日までの間に登録の消除の申請をした者(登録の消除の申請について相当の理由がある者を除く。)で当該登録が消除された日から五年を経過しないもの
十一 第六十八条第二項又は第四項の規定による禁止の処分を受け、その禁止の期間中に第二十二条第一号の規定によりその登録が消除され、まだその期間が満了しない者
十二 心身の故障により宅地建物取引士の事務を適正に行うことができない者として国土交通省令で定めるもの
のいずれかに該当するに至つたとき。
二 不正の手段により第十八条第一項の登録を受けたとき。
三 不正の手段により宅地建物取引士証の交付を受けたとき。
四 前条第一項各号のいずれかに該当し情状が特に重いとき又は同条第二項若しくは第四項の規定による事務の禁止の処分に違反したとき。
2 第十八条第一項の登録を受けている者で宅地建物取引士証の交付を受けていないものが次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該登録をしている都道府県知事は、当該登録を消除しなければならない。
一 第十八条第一項第一号から第八号まで又は第十二号のいずれかに該当するに至つたとき。
二 不正の手段により第十八条第一項の登録を受けたとき。
三 宅地建物取引士としてすべき事務を行い、情状が特に重いとき。

ここでは宅建士に対する処分を規定しています。

68条1項 指示処分

都道府県知事は登録を受けている宅建士に対し以下の指示処分をすることができる。

① 専任の宅建士の表示を複数の業者に許可し、宅建業者が表示したとき
② 他人に名義を貸して、その他人が名義を用いて宅建士である旨の表示をしたとき
③ 宅建士の事務に関し不正・著しく不当な行為をした時

※宅建士が不正行為を行った都道府県の知事も指示処分できる(第68条3項)

68条2項 事務禁止処分

都道府県知事は登録している宅建士に対して、1年以内の期間を定めて、宅建士としてすべき事務の全部または一部を禁止することができる。

①68条1項の指示処分のいずれかに該当したとき
②指示処分に従わない場合

※宅建士が不正行為を行った都道府県の知事も事務禁止処分できる(第68条4項)

68条の2第1項 登録消除処分

都道府県知事は、次の場合に宅建士の登録を消除(しょうじょ)しなければならない。

① 登録の欠格事由になったとき
② 不正の手段により登録を受けたとき
③ 不正の手段により宅建士証の交付を受けたとき
④ 事務禁止処分に該当する行為をし情状が特に重いとき
⑤ 事務禁止処分に違反したとき

※登録を受けている都道府県知事のみが登録消除処分できる

宅建士とは登録して宅建士証を持ってる人のことです。次の条文と似てますが違いを明確にして覚えておいてください。

68条の2第2項 登録消除処分

都道府県知事は、宅建士登録はしたけど、宅建士証の交付を受けてない者が、次の対象事由に該当する場合、登録を削除しなければならない

① 登録の欠格事由になった
② 不正の手段により登録を受けた
③ 宅建士としてすべき事務を行い、情状が特に重い時

※登録を受けている都道府県知事のみが登録消除処分できる

「宅建士」として働くためには登録をして、宅建士証の交付申請をして、宅建士証を持ってなければいけません。資格に合格して登録はしたけど、宅建士として働かないし、宅建士証はしばらくいらないや、という人もいます。

そんな人が重要事項説明書に記名したり、説明をしたりすると、これは③の宅建士としてすべき事務を行ったということになります。このようなケースでは登録を消除される可能性があります。