(権限の委任)
第七十八条の二 この法律に規定する国土交通大臣の権限は、国土交通省令で定めるところにより、その一部を地方整備局長又は北海道開発局長に委任することができる。
2 この法律に規定する内閣総理大臣の権限(政令で定めるものを除く。)は、消費者庁長官に委任する。
第1項
国土交通大臣の権限の一部を地方の行政機関(地方整備局長または北海道開発局長)に委任することができると規定しており、その詳細は国土交通省が定める省令によって具体的に決められます。これは、行政の効率化を目指したものです。
詳細は宅建業法施行規則第三十二条
第三十二条 法及びこの省令に規定する国土交通大臣の権限のうち、次に掲げるものは、宅地建物取引業者又は法第三条第一項の免許を受けようとする者の本店又は主たる事務所の所在地を管轄する地方整備局長及び北海道開発局長に委任する。ただし、第十三号から第十九号まで及び第二十六号に掲げる権限については、国土交通大臣が自ら行うことを妨げない。
一 法第三条第一項の規定による免許をし、及び同条第三項の規定による免許の更新をすること。
二 法第三条の二第一項の規定により免許に条件を付し、及びこれを変更すること。
三 法第四条第一項の規定による免許申請書を受理すること。
四 法第六条の規定により免許証を交付すること。
五 法第八条第一項の規定により宅地建物取引業者名簿を備え、及び同条第二項の規定により国土交通大臣の免許を受けた宅地建物取引業者に関する同項各号に掲げる事項を登載すること。
六 法第九条の規定による届出を受理すること。
七 法第十条の規定により一般の閲覧に供すること。
八 法第十一条第一項の規定による届出を受理すること。
九 法第二十五条第四項(法第二十六条第二項、法第六十四条の七第三項、法第六十四条の十五及び法第六十四条の二十三において準用する場合を含む。)の規定による届出を受理し、同条第六項の規定により催告をし、及び同条第七項の規定により免許を取り消すこと。
十 法第二十八条第二項の規定による届出を受理すること。
十一 法第五十条第二項の規定による届出を受理すること。
十二 法第六十四条の四第二項の規定による報告を徴収すること。
十三 法第六十五条第一項の規定により必要な指示をし、及び同条第二項の規定により業務の全部又は一部の停止を命ずること(認可宅地建物取引業者が行う取引一任代理等についてするものを除く。)。
十四 法第六十六条第一項及び第二項の規定により免許を取り消すこと。
十五 法第六十七条第一項の規定により公告し、及び免許を取り消すこと。
十六 法第六十九条第一項の規定により聴聞を行い、並びに同条第二項において準用する法第十六条の十五第三項の規定により通知をし、及び公示すること(認可宅地建物取引業者が行う取引一任代理等についてするものを除く。)。
十七 法第七十条第一項の規定により公告し、及び同条第三項の規定による報告を徴収すること(認可宅地建物取引業者が行う取引一任代理等についてするものを除く。)。
十八 法第七十一条の規定により必要な指導、助言及び勧告をすること(認可宅地建物取引業者が行う取引一任代理等についてするものを除く。)。
十九 法第七十二条第一項の規定により必要な報告を求め、又はその職員に立入検査させ、及び同条第二項の規定により必要な報告を求めること(認可宅地建物取引業者が行う取引一任代理等についてするものを除く。)。
二十 第四条の二第一項及び第四条の三第一項の規定による申請を受理すること。
二十一 第四条の四第一項及び第二項の規定による受納をすること。
二十二 第四条の五の規定により通知すること。
二十三 第五条の四の規定により訂正すること。
二十四 第六条第一項の規定により消除し、及び同条第二項の規定により通知すること。
二十五 第十五条の四及び第十五条の四の二の規定による届出を受理すること。
二十六 第二十七条第一項の規定により通知すること(認可宅地建物取引業者が行う取引一任代理等についてするものを除く。)。
2 前項第十三号、第十六号から第十九号まで及び第二十六号に掲げる権限で宅地建物取引業者の支店、従たる事務所又は令第一条の二第二号に規定する事務所(以下本条において「支店等」という。)に関するものについては、前項に規定する地方整備局長及び北海道開発局長のほか、当該支店等の所在地を管轄する地方整備局長及び北海道開発局長も当該権限を行うことができる。(権限の委任)にあります。
第2項
こちらは内閣総理大臣の権限を、消費者庁長官に委任する、というものです。
こちらの宅建業法施行令もご参照ください。
(消費者庁長官に委任されない権限)
第十条 法第七十八条の二第二項の政令で定める権限は、法第七十一条の二(内閣総理大臣との協議等)
第七十一条の二 国土交通大臣は、その免許を受けた宅地建物取引業者が第三十一条第一項、第三十二条から第三十四条まで、第三十四条の二第一項(第三十四条の三において準用する場合を含む。次項において同じ。)、第三十五条(第三項を除き、同条第四項及び第五項にあつては、同条第一項及び第二項に係る部分に限る。次項において同じ。)、第三十五条の二から第四十五条まで、第四十七条又は第四十七条の二の規定に違反した場合(当該宅地建物取引業者が、第三十五条第一項第十四号イに規定する宅地建物取引業者の相手方等と契約を締結する場合に限る。)において、第六十五条第一項(第二号から第四号までを除く。)若しくは第二項(第一号及び第一号の二を除く。)又は第六十六条第一項(第一号から第八号までを除く。)の規定による処分をしようとするときは、あらかじめ、内閣総理大臣に協議しなければならない。
2 内閣総理大臣は、国土交通大臣の免許を受けた宅地建物取引業者の第三十五条第一項第十四号イに規定する宅地建物取引業者の相手方等の利益の保護を図るため必要があると認めるときは、国土交通大臣に対し、前項に規定する処分(当該宅地建物取引業者が第三十一条第一項、第三十二条から第三十四条まで、第三十四条の二第一項、第三十五条から第四十五条まで、第四十七条又は第四十七条の二の規定に違反した場合(当該宅地建物取引業者が同号イに規定する宅地建物取引業者の相手方等と契約を締結する場合に限る。)におけるものに限る。)に関し、必要な意見を述べることができる。び第七十五条の四(内閣総理大臣への資料提供等)
第七十五条の四 内閣総理大臣は、国土交通大臣の免許を受けた宅地建物取引業者の第三十五条第一項第十四号イに規定する宅地建物取引業者の相手方等の利益の保護を図るため必要があると認めるときは、国土交通大臣に対し、資料の提供、説明その他必要な協力を求めることができる。に規定する内閣総理大臣の権限とする。