(適用の除外)
第七十八条 この法律の規定は、国及び地方公共団体には、適用しない。
2 第三十三条の二及び第三十七条の二から第四十三条までの規定は、宅地建物取引業者相互間の取引については、適用しない。

宅建業法78条 適用の除外について整理

第78条1項

宅建業法の規定は国、地方公共団体には適用しない。そのままなのですが、どういった部分に影響するかというと,代表的なのは宅地建物取引業法(第3条関係)免許が不要なケースが挙げられますね。

第78条2項

この項で規定しているのは、宅建業者間の取引についての適用の除外です。具体的には以下のものが該当してきます。

33条の2 自己の所有に属しない宅地又は建物の売買契約締結の制限
つまり宅建業者同士なら他人物売買してもよい、ということになりますね。
37条の2 事務所等以外の場所においてした買受けの申込みの撤回等(クーリングオフ)
つまりクーリングオフは宅建業者間では適用されない。
38条 損害賠償額の予定等の制限
損害賠償額は上限20%まで予定できますが、宅建業者間では20%を超えても構わない。
39条 手付の額の制限等
売主宅建業者、買主一般人のときは手付金の額は20%までですが、宅建業者間では手付金の額は20%を超えても構わない。
40条 担保責任についての特約の制限
売主宅建業者で買主一般人のときは担保責任を負いますが、買主宅建業者のときは担保責任を負わない特約も可能です。
41条 未完成物件の手付金等の保全
宅建業者間の取引の倍は、手付金の保全措置をしなくてよくなります。
41条の2 手付金等の保全
宅建業者間の取引の倍は、手付金の保全措置をしなくてよくなります。
42条 宅地又は建物の割賦販売の契約の解除等の制限
43条 所有権留保等の禁止
宅建業者間で割賦販売のとき売主所有権留保してもOKとのこと。

あわせて宅建業者間では不要なモノをまとめました

  • 宅建業者が損害を受けても保証金(営業保証金、弁済業務保証金)の弁済を受ける権利はない(27条1項)
  • 相手が宅建業者の時、供託所等に関する説明は不要である(35条の2)
  • 重要事項の説明は、宅建業者に対しては不要である(35条6項)
  • 8種規制は宅建業者間では適用しない(78条2項)
    1. クーリングオフ → 買主が宅建業者の場合はクーリングオフ出来ない。それ以外の事業者はクーリングオフ対象。
    2. 一定の担保責任の特約の制限 → 売主が瑕疵担保責任を負わないこととする特約も可能
    3. 損害賠償額の予定等の制限 → 代金の20%超の予定額を定めることができる
    4. 手付の性質、手付の額の制限 → 手付金の上限(代金の20%)を超えることができる
    5. 手付金当の保全措置 → 売主業者は保全措置を講じなくてよい
    6. 自己の所有に属しない物件の売買契約(他人物売買)の制限 → 他人物売買ができる
    7. 割賦販売契約の解除等の制限
    8. 所有権保留等の禁止
  • 住宅瑕疵担保履行法で、買主宅建業者のときは資力確保措置(住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約)を講じる必要がない(住宅瑕疵担保履行法2条7項2号ロ)
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