宅建業法（第32条）誇大広告等の禁止をわかりやすく解説

（誇大広告等の禁止）
第三十二条　宅地建物取引業者は、その業務に関して広告をするときは、当該広告に係る宅地又は建物の所在、規模、形質若しくは現在若しくは将来の利用の制限、環境若しくは交通その他の利便又は代金、借賃等の対価の額若しくはその支払方法若しくは代金若しくは交換差金に関する金銭の貸借のあつせんについて、著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。

誇大広告の禁止内容

宅建業者は広告をするときは、以下のような内容で、物件に関して実際と大きく異なる情報を提供したり、実際よりもずっと良いかのように見せかけて人を誤認させてはいけません。

それぞれ解説すると、

①番は物件の場所、大きさ（面積や間取り等）、形質（地目、用途、木造、鉄骨造など）について異なる情報提供はダメですよ、ということですね。

②番の利用制限とは何かというと、以下の2つが含まれます。
・公法上の制限(都市計画法､建築基準法､農地法等の制限の設定又は解除)
・私法上の制限(借地権､定期借地権､地上権等の有無及び内容等)
これらの制限はデメリットになりえますので、それを表示しないでおくことも禁止となります。
（参照：宅建業法の運用と解釈）

そして環境は、周辺の施設（スーパー、コンビニ、病院、市役所、駅、学校など）に関することや、将来近くに駅や学校が出来るといった情報、バス停〇分なども含みます。

③番は物件の価格や賃料のことですね。

④番は融資を受けるための条件や金利といった情報の提供です。「〇〇銀行なら金利〇％で融資が出ます」といった情報は気を付けないといけませんね。

また以下の広告も禁止です。
★おとり広告‥売る意思のない条件の良い物件
★虚偽広告‥実際には存在しない物件

広告の媒体は、インターネット、ホームページ、テレビ、ラジオ、ちらし、新聞折込、雑誌など、どのような媒体でも当てはまります。

誇大広告を行った場合、監督処分の対象となります。取引の相手方が実際に誤認したか否か、あるいは損害を受けたか否かにかかわらず、監督処分の対象となります。（宅建業法65条参照）

売主や貸主むけの広告は規制されていない

宅建試験とは関係ないのですが・・

私自身も不思議に思っていますが、物件所有者（売主や貸主）むけの広告は規制されていません。例えば・・

「あなたのボロボロの空き家を、高額で買いたいと言っている人がいます！」
「この〇〇地域で、中古住宅を探している希望者がいます！」
「あなたの土地が高額で売れるかも？！　無料査定はこちら》」

こんな広告よく見かけると思います。チラシもよく入る。チラシに感化されて不動産屋に査定を依頼したら二束三文だった・・みたいな話はよくあります。けど今のところこういった広告の規制は無さそうです。