ここでは宅建士として働くまでの一連の流れに関する以下の条文を解説します。条文は飛び飛びになります。

第18条:宅建士の登録
第22条の2:宅建士証の交付
第22条の3:宅建士証の更新

(登録の消除や死亡した時などの条文が間にありますが別途解説記事を出します)

(宅地建物取引士の登録)
第十八条 試験に合格した者で、宅地若しくは建物の取引に関し国土交通省令で定める期間以上の実務の経験を有するもの又は国土交通大臣がその実務の経験を有するものと同等以上の能力を有すると認めたものは、国土交通省令の定めるところにより、当該試験を行つた都道府県知事の登録を受けることができる。ただし、次の各号のいずれかに該当する者については、この限りでない。

(宅地建物取引士証の交付等)
第二十二条の二 第十八条第一項の登録を受けている者は、登録をしている都道府県知事に対し、宅地建物取引士証の交付を申請することができる。
2 宅地建物取引士証の交付を受けようとする者は、登録をしている都道府県知事が国土交通省令の定めるところにより指定する講習で交付の申請前六月以内に行われるものを受講しなければならない。ただし、試験に合格した日から一年以内に宅地建物取引士証の交付を受けようとする者又は第五項に規定する宅地建物取引士証の交付を受けようとする者については、この限りでない。
3 宅地建物取引士証(第五項の規定により交付された宅地建物取引士証を除く。)の有効期間は、五年とする。
4 宅地建物取引士証が交付された後第十九条の二の規定により登録の移転があつたときは、当該宅地建物取引士証は、その効力を失う。
5 前項に規定する場合において、登録の移転の申請とともに宅地建物取引士証の交付の申請があつたときは、移転後の都道府県知事は、前項の宅地建物取引士証の有効期間が経過するまでの期間を有効期間とする宅地建物取引士証を交付しなければならない。
6 宅地建物取引士は、第十八条第一項の登録が消除されたとき又は宅地建物取引士証が効力を失つたときは、速やかに、宅地建物取引士証をその交付を受けた都道府県知事に返納しなければならない。
7 宅地建物取引士は、第六十八条第二項又は第四項の規定による禁止の処分を受けたときは、速やかに、宅地建物取引士証をその交付を受けた都道府県知事に提出しなければならない。
8 前項の規定により宅地建物取引士証の提出を受けた都道府県知事は、同項の禁止の期間が満了した場合においてその提出者から返還の請求があつたときは、直ちに、当該宅地建物取引士証を返還しなければならない。

(宅地建物取引士証の有効期間の更新)
第二十二条の三 宅地建物取引士証の有効期間は、申請により更新する。
2 前条第二項本文の規定は宅地建物取引士証の有効期間の更新を受けようとする者について、同条第三項の規定は更新後の宅地建物取引士証の有効期間について準用する。

第18条:宅建士の登録

法2条4項を解説した記事で、宅建士になるステップを以下のようにお伝えしています。

1.試験に合格→ 2.宅建士登録→ 3.宅建士証を受け取る

の流れをお話ししましたが、本記事の18条では宅建士登録に関する部分を解説します。

宅建士登録できる条件

宅建士登録できるのは、宅建試験に合格した次のいずれかの者です。

①実務経験が2年以上あるもの。
②実務経験がなくても国土交通大臣の登録実務講習を修了したもの。

加えて次の条件があります。
③宅建士としての欠格事由に該当しないこと。

①に関しては施行規則第十三条の十五に2年と書かれています。
②に関しては施行規則第十三条の十六に書かれています。
③に関してはこの条文の1項~12項に書かれています。別途記事で解説します。

登録を受けられるのは、試験を受けた都道府県知事です。都道府県のホームページより宅建士登録のページから必要書類を確認・記入して提出します。

私が調べたところによると、登録実務講習もTACやLECなどのスクールでほぼ毎月実施しているようです。およそ2万円前後かかります。そこで講習を受けて終了証をもらったら、それらも宅建士登録時の提出書類です。

ちょっと気が早いけど、宅建士登録と宅建士証の交付申請について図を乗せておきます。少し理解しやすくなると思います。

図の流れに従って以下も説明していきます。

第22条の2:宅建士証の交付

ここで重要な部分を赤字でお伝えします。それ以外の部分は、話の流れ的にマッチしないので別途記事で解説します。

第22条の2の1項:ここで言っていることは、登録をした都道府県知事に宅建士証の交付申請をできる、ということです。
2項:宅建士証の交付申請前6ヶ月以内に行われる「都道府県知事の法定講習」を受講する必要があります。ただし試験合格後1年以内の人は不要です。
3項:宅建士証の有効期間は5年です。
4項:「登録の移転」の申請とともに新たな「宅建士証の交付申請」をすると、元々持ってる宅建士証が効力を失うことを規定しています。登録の移転については別途記事で解説します。
5項:登録の移転の記事で説明します。
6項:宅建士は、登録が消除されたときや、宅建士証の効力を失ったときは、速やかに「返納」しなければなりません。
7項:宅建士は事務禁止の処分を受けた時は、宅建士証を都道府県知事に「提出」しなければなりません。ちなみに「返納」と「提出」は違います。返納は戻ってきませんが、提出は預ける形になり、その間は宅建事務が行えませんが、戻ってきます。
8項:提出を受けた都道府県知事は、事務禁止期間満了後、返還請求があれば、宅建士証を返還することを規定しています。

第22条の3:宅建士証の有効期間の更新

前の条のとおり、宅建士の有効期間は5年間とされています。

登録してある都道府県以外でも仕事をすることができます。

有効期間は申請によって5年間更新します。

また有効期間満了の6ヶ月以内に行われる、「都道府県知事の法定講習」を受けなければなりません。図のとおりです。