宅建士のかねやまです。

少し前までは空き家管理サービスなんて利益にならないから、と参入する事業者はとても少なかったと思います。しかし郵便局を始め警備会社なども空き家管理サービスを提供しだしています。

この記事では空き家管理サービスを調べたので比較して紹介してみます。

この記事は2025年1月時点の情報ですので、最新情報・正確な情報は各公式サイトにてご確認ください

空き家管理サービスの基本情報

空き家管理サービスって何なのか、空き家を管理しないとどうなるかリスク面をチェックしてください。

空き家管理サービスとは?

空き家管理サービスとは、所有者が不在の住宅や土地を適切に管理するためのサービスです。専門業者が依頼を受けて、定期的な巡回や点検・清掃・換気・庭木の手入れなどを行い、物件を良好な状態に保つことを目的としています。また、異常があれば迅速に報告し、必要に応じて修繕や対策を提案することもあります。

空き家管理サービスは、所有者が遠方に住んでいる場合や、物件を売却・賃貸する準備が整うまでの間、物件の劣化や周囲への影響を最小限に抑える重要な役割を果たします。

空き家放置によるリスク

空き家を放置することによるリスクは多岐にわたります。

  • 法的リスク
    あまりに管理がされてない場合、自治体から「管理不全空き家」や「特定空き家」に指定され、指示、固定資産税増となります。
  • 資産価値の低下
    適切なメンテナンスが行われない場合、建物の劣化が進み、資産価値が下がるリスクがあります。
  • 安全性の懸念
    空き家が荒廃すると、倒壊の危険性が高まり、周囲に危害を及ぼす可能性があります。
  • 犯罪の温床
    空き家は不法侵入や不法投棄、放火などの犯罪の温床となることがあります。
  • 地域への悪影響
    空き家の外観が荒れていると、近隣住民に不安や迷惑をかけ、地域の景観や住環境を損ないます。

空き家管理サービスを活用することで、これらのリスクを回避し、物件を良好な状態に保つことができます。特に高齢化や過疎化が進む地域では、空き家問題が深刻化しているため、管理サービスの重要性はますます高まっています。

空き家管理サービスのメリット・デメリット

メリ・デメをまとめました。

空き家管理サービスを利用するメリット

  • トラブル防止とご近所トラブル回避
    個人的にはこれが一番大きいのかなと思います。空き家を適切に管理することで、草木の越境、倒壊、漏水、動物などで近隣住民に迷惑をかけるリスクを予防できます。地域社会との良好な関係を維持することができます。
  • 専門家による徹底した管理
    空き家管理サービスを利用すると、専門家が定期的に巡回し、物件の状態を細かくチェックします。建物の劣化を防ぐための対策や、異常が発見された場合の迅速な対応が期待できます。
  • 資産価値を守る効果
    人が住まなくなると途端に劣化するのが建物です。適切なメンテナンスを行うことで、将来の処分まで物件の資産価値を維持できます。

空き家管理サービスを利用するデメリット

  • ランニングコストの負担
    空き家管理サービスには一定の費用がかかります。定期的な管理を依頼する場合、そのコストが長期的な負担となる可能性があります。
  • 業者選びの難しさ
    信頼できる業者を選ぶことは簡単ではありません。料金体系やサービス内容を比較することです。業者によっては、対応の質や報告の頻度に差があるため、慎重に選ぶ必要があります。

主要な空き家管理サービス10業者を比較

空き家管理サービスは大手企業から地域の個人まで様々な事業体があります。次のような業者から比較してみるとよいでしょう。

日本郵便の「空き家みまもりサービス」

サービス名 郵便局の空き家みまもり
基本料金 月額4,280円(税込)
サービス内容 毎月1回、郵便局員が空き家を訪問し、以下の7項目を確認。
住宅外観の状況:外壁や屋根などの破損や劣化を確認。
庭木・雑草の状況:落葉や雑草の繁茂状況を確認。
郵便受箱の投函物の有無:郵便物の溜まり具合を確認。
不法投棄の有無:敷地内に不法投棄物がないかを確認。
玄関の施錠状況:玄関の施錠を確認し、不法侵入の形跡があれば報告。
玄関周辺の状況:落書きや破損・劣化がないかを確認。
隣家への越境物の有無:隣家への越境物がないかを確認。
確認結果は、写真付き(最大5枚)の報告書としてメールで送付。
オプション 通風・通水サービス(月額5,000円)
郵便受箱投函物送付サービス(月額800円)
巡回看板設置サービス(1,680円/個)
臨時見回りサービス(3,000円/回)
草刈サービス、不用品整理(いずれも都度見積)
対応エリア(市町村) 日本全国
申込方法 日本郵便の公式ウェブサイトから申し込みが可能です。申込時には、本人確認書類と物件の所有者であることが分かる書類の提出が必要です。
公式サイト

詳細や最新情報については、上記の公式サイトをご確認ください。

ALSOKの「HOME ALSOK るすたくサービス」

サービス名 HOME ALSOK るすたくサービス
基本料金 月額7,700円(税込)
サービス内容 (1)見回りサービス
月に1回、敷地内の指定箇所(最大10カ所)の外観を巡回し、破損、盗難、ごみの投棄などの異常の有無を確認し。結果はEメールで報告。

(2)投函物整頓サービス
郵便受けの投函物を確認し、契約に基づき廃棄または指定された住所へ送付(送付費用は利用者負担)。

オプションサービス (1)るすたくセキュリティ
不審者の侵入があった場合、ガードマンが現場に急行(出動料金は1回3,300円(税込))。

(2)換気サービス
窓の開放による換気(最大10カ所)、蛇口の通水(最大10カ所)、建物外側および内側の目視確認(各最大10カ所)を実施。1回あたり7,700円(税込)。

対応エリア(市町村) 日本全国
申込方法 ALSOKの公式ウェブサイトから資料請求やお問い合わせが可能です。
公式サイト

NPO法人 空家・空地管理センター

サービス名 あんしん管理サービス
基本料金 あんしん管理:月額2,750円(税込)
あんしん管理プラス:月額6,600円(税込)
サービス内容 あんしん管理:建物外観目視確認、草木確認、ポスト掃除、近隣クレーム一次対応、ステッカー設置、巡回報告
あんしん管理プラス:上記に加え、室内目視確認、庭ゴミ処理、換気、通水
対応エリア 全国対応
申込方法 公式ウェブサイトの「管理申し込み」ページから申し込み可能です。公式サイト

東京ガスの「実家のお守りサービス」

サービス名 実家のお守り
基本料金 プランにより異なります。
ベーシックプラン:9,900円(税込)/回
スタンダードプラン:11,000円(税込)/回
プレミアムプラン:14,300円(税込)/回
サービス内容 各プラン共通で、以下のサービスを提供。

換気:室内の空気を入れ替え、防湿や防カビ。
通水:水道の蛇口を開けて水を流し、排水管の乾燥や悪臭を防止。
郵便物回収:ポスト内の郵便物を回収し、指定の場所に保管。
簡易清掃:室内の簡単な清掃。
外観・内観確認:建物の内外を目視で確認し、異常がないかチェック。
スタンダードは草むしり10分、プレミアムは草むしり40分

対応エリア(市町村) 東京23区および東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の一部地域。
申込方法 東京ガスの公式ウェブサイトの専用フォームから申し込みが可能です。公式サイト

株式会社L&Fの日本空き家サポートの「全国対応サービス」

サービス名 日本空き家サポート
基本料金 提供されるプランにより異なります。
スタンダードプラン:月1回の巡回管理(屋外・室内 約60分)で、月額10,000円(税込11,000円)
ライトプラン:月1回の巡回管理(屋外 約30分)で、月額5,000円(税込5,500円)
スタンダードプラスプラン:月2回の巡回管理(屋外・室内 約60分+屋外 約30分)で、月額13,000円(税込14,300円)
サービス内容 各プラン共通で、以下のサービスを提供。
郵便受け確認:郵便物の確認と整理。
全室換気:室内の空気を入れ替え。
通水:水道の蛇口を開けて水を流し、排水管の乾燥や悪臭を防止。
簡易清掃:室内の簡単な清掃。
庭木の確認:庭木の状態を確認し、必要に応じて報告。
防犯確認:窓やドアの施錠状況を確認。

管理作業の様子や空き家の状況を動画で確認できる「動画レポート」が提供され、遠方にお住まいの方でも安心して物件の状況を把握できます。

対応エリア(市町村) 日本全国
申込方法 日本空き家サポートの公式ウェブサイトから、空き家所在地に近い「空き家サポーター®」を検索し、直接お問い合わせいただく形となります。公式サイト

大東建託パートナーズの「空き家活用サービス」

サービス名 空き家管理サービス
基本料金 提供されるプランにより異なります。
内外部巡回サービス:月1回の巡回で、月額11,000円(税込)
外部巡回サービス:月1回の巡回で、月額5,500円(税込)
マンション巡回サービス:月1回の巡回で、月額8,800円(税込)
サービス内容 各プラン共通で、以下のサービスが提供されます。
通気・換気:全室(押入れ・物入れ含む)を開放し、空気を入れ替え。
簡易清掃:建物内部の簡単な掃除。
通水:錆の付着防止のため、蛇口を60秒開放し、排水トラップに注水。
雨漏り・カビ確認:雨漏り(しみなど)やカビの発生を確認。
庭木の確認:剪定や消毒の要否を確認。
建物状況確認:塗装・外壁仕上げ・木部・鉄部などの状況を確認。
郵便物の整理:郵便物を整理し、必要なものを指定先に送付。
玄関前簡易掃除:玄関前と玄関アプローチ部分の簡易除草、および掃き掃除(約10分)。
対応エリア(市町村) 全国178拠点の営業所の管理物件エリアがサービス対象地域
申込方法 公式ウェブサイトの「空き家管理サービス」ページから申し込みが可能です。公式サイト

ダスキンが提供する「空家点検サービス」

サービス名 空家点検サービス
基本料金 一軒家プラン(延べ床面積120m²未満)1回あたり15,400円(税込)
マンションプラン(延べ床面積100m²未満)1回あたり13,200円(税込)
※対象条件を超える場合は別途お見積り。
サービス内容 全室の床のモップがけまたは掃除機がけ、トイレ便器内部の洗浄、玄関たたき・ベランダの掃き掃除
窓や扉の動作・施錠の確認、破損や劣化の有無の確認、各水道栓の通水と水まわりのカビの有無の確認、ポスト投函物の確認
点検内容に基づき、現状を報告書として提供
※お掃除に必要な道具や洗剤は、すべてスタッフが用意
対応エリア(市町村) 最寄りのダスキン店舗にお問い合わせください。
申込方法 ダスキンの公式ウェブサイトからお申し込みできます。公式サイト

セコム

サービス名 あんしんサポート
基本料金 ポスト投函物の回収:1回 3,300円(税込)
家の見回り:1回 3,300円(税込)
長期不在宅の基本サービス:月1回 8,800円(税込)
サービス内容 ポスト投函物の回収:留守中にポストに溜まった郵便物を回収し、宅内の指定場所に保管。
家の見回り:自宅の外周を見回り、不審な点や異常がないかを確認。
長期不在宅の基本サービス 通気:室内の換気を行い、空気の入れ替えを実施。
通水:水道の蛇口を開けて水を流し、排水管の乾燥や悪臭を防止。
ポスト投函物の回収:郵便物を回収し、宅内の指定場所に保管。
オプション 簡単なお掃除 1回 1,100円(税込)
投函物転送サービス 月1回 1,650円(税込)+送料
定期レポート 月1回 1,100円(税込)
対応エリア(市町村) ポスト投函物の回収・家の見回りは全国対応(一部地域を除く)。長期不在宅の対応は首都圏・近畿圏・愛知県の一部地域。
申込方法 セコム契約者のみ利用可能なサービスです。公式サイト

シルバー人材センターの空き家管理サービス

シルバー人材センターとは?
シルバー人材センターは、高齢者が自分の経験や技能を活かして地域社会で働く機会を提供するための非営利組織です。全国組織として活動しており、各市町村単位で運営されています。

主なサービス内容 外観確認:建物の外観を定期的に巡回し、異常や損壊がないか確認。
清掃:敷地内の簡易清掃、ゴミ拾い、ポスト内の整理。
庭木の手入れ:剪定や除草作業。
報告書作成:点検結果を写真付きで報告。
換気・通水:室内の空気の入れ替えや水道の通水。
料金 料金は各地域のセンターによって異なりますが、比較的低価格で提供されることが一般的です。
対応地域 原則として、その地域のシルバー人材センターが対応するのは自分たちの管轄内の空き家のみです。

費用が比較的安いのが特徴ですね。営利目的ではないため、民間業者より低価格なことが多いのですが、民業圧迫にならないように積極的にPRはしていません。地域密着型でその地域の状況をよく知る人材が担当します。

シルバー人材センターの空き家管理サービスは、地域密着型の手頃な選択肢として、多くの空き家所有者に利用されています。具体的なセンター名や料金などを知りたい場合は、対象地域のシルバー人材センターに直接お問い合わせすることをお勧めします。

ふるさと納税

ふるさと納税の返礼品として「空き家管理サービス」を提供している自治体が増えています。

ふるさと納税のサイトにて、所有する空き家の市町村で検索して見るとよいです。

「さとふる」「ふるさとチョイス」で探してみましょう。

空き家管理サービスを選ぶ7つのポイント

1️⃣サービス内容の確認

空き家管理サービスを選ぶ際には、まず提供されるサービス内容を確認します。具体的には、巡回頻度や清掃、換気、通水、報告書の有無など、自分の物件に必要なサービスが含まれているかのチェックです。また、追加オプションで他にどんなサービスがあるかも確認しておくとよいです。

2️⃣料金プランの比較

各業者の料金プランを比較する際には、基本料金・追加費用・オプションの有無(清掃、草取り、通風、通電確認、換気、etc)、を確認して。

3️⃣対応エリアとカバー範囲

物件がある地域でサービスを利用できるかどうかを確認してください。特に地方や郊外の場合、対応エリア外となる可能性があるため、事前に確認が必要です。また、エリア内でも巡回頻度や対応の質が異なる場合があるため、詳細を問い合わせると安心です。

4️⃣利用者の口コミや評判を活用する

実際にサービスを利用した人の口コミや評判を参考にするのも有効です。インターネット上のレビューサイトやSNS、業者の公式サイトに掲載されているお客様の声があればチェックを。(口コミには個人の主観が含まれるため、多角的に情報を集めましょう)

5️⃣定期報告の詳細

空き家管理サービスでは、定期報告の内容を事前に確認することが重要です。報告書(メールやLINEの場合もある)には、巡回時の状況や異常の有無、実施した作業内容が記載されますが、写真付きの報告や詳細な説明があると、より安心感があります。報告頻度が希望と合致しているかもチェックしましょう。

6️⃣契約内容の確認

サービスを利用する前に、契約内容を細かく確認してください。契約期間や解約条件、料金体系に加え、サービスの範囲や責任の所在を明確にすることが大切です。また、補償内容や追加料金が発生する場合の条件も確認しておくと、後々のトラブルを防ぐことができます。

7️⃣緊急時の対応力

緊急時の対応力は業者を選ぶ際の大きな判断基準です。台風や地震などの自然災害、あるいは不法侵入や水漏れなどのトラブルに対し、迅速かつ適切な対応が可能かを事前に確認しましょう。24時間対応可能な業者であれば、さらに安心です(費用は高いけど・・)。

空き家管理サービスは費用とのバランスで選ぶ

空き家管理サービスは安いものは月1000円などとても安い場合もありますし、高いものは見回りだけでなく室内のチェックや庭木の剪定なども含まれます。

サービス内容と費用のバランスを考慮し、長期的に見て無理のないプランを選ぶことです。料金が明確に提示されている業者を選ぶと安心です。