不動産屋からの広告や営業がしつこくて辟易してる方は多いでしょう。私も仕事中の昼間に何度も電話がかかってきて困ったことがあります。
なぜそういったことが頻繁に起こるのか、またその対処法についてお伝えしたいと思います。
不動産屋のしつこい営業やDMが増える背景とは?
不動産屋のマーケティングのやり口
不動産屋の営業は従来の紙媒体や看板に頼るだけではなく、基本的には「反響営業」といって客からの電話/メール/Web問い合わせによって開始します。(電話や訪問営業は最近ではほとんど無いでしょう。)
家を探している人に対して
スーモ、アットホーム、HOMESで掲載されている物件に対してWeb問い合わせを行います。すると不動産屋にはメールが飛んできます。
基本的には届いたメールに書かれている情報に基づいて購入希望者にコンタクトを取ることから行います。
・電話をかけてより詳細にヒアリングする
・住みたいエリアや予算やローンを使うかどうか
また自動的にメルマガに登録される場合もあるでしょう。メルマガやDMによって不動産購入のアドバイス等をメール配信し基本的な知識や購入の段階を進めてもらう効果があります。
また希望条件によって新着物件をお知らせするDMも自動設定されます。
不動産屋は安い投資家に対してはあまりしつこいDMや営業電話をしない事が多いと思います。逆に予算があって比較的高額な物件を探してるお客さんは頻繁にコンタクトを取りたいと思うでしょう。これがしつこい電話営業になっちゃってる場合もある。
不動産を売りたい人
不動産屋は家や土地を売りたい人を探しています。Web広告、一括査定サービスはもとより、チラシ、ポスティング、DMといった紙媒体も有効なので。
・よさそうな空き家を見つけたらチラシや手紙をポストにいれるし
・相続情報を集めてる業者から個人情報を買って、そこにDMしたり
・ほしい空き地があれば登記情報を調べて、その持ち主に手紙を書いたり
こういった広告は、直接個人名に名指しで届くので、まるで自分の個人情報や内情を知ってるかのようで、気味が悪く感じてしまう方も少なくありません。実際には無作為に機械的にDMを送ってるケースが多いのですが。
そして一度不動産屋にコンタクトを取ると、前述のようにメルマガを設定し軽めの追客を自動化します。
そして「売る意志がある人になら」何度かコンタクトを取ろうとするでしょう。何度も「売ってくれ、譲ってくれ」と言われたら嫌な気持ちになるので「しつこい」と感じてしまう人は多いと思います。
逆にいま売るつもりがなさそうな人、ただ査定だけしてほしい人には全くアッサリしたものでしつこい営業はありません。
不動産業界における競争激化と営業手法の変化
前章の通り、不動産屋では顧客との接点を増やし、他社よりも早く、そして強く印象づけることが営業の主流となってきていますが、それがしつこい営業と受け取られるケースも増加しています。
とくに昨今は人口減少による市場の縮小が危惧されているのと宅建業者が毎年増加していることも要因と考えられます。また営業マンの成績は個人の収入に直結する歩合制となっている会社が多く、しつこさは営業マンの裁量によるものの場合もあります。
このような環境の変化に伴い、企業は営業手法の見直しや、より顧客に寄り添ったサービスの提供が求められていますが、競争が激化する中でバランスを取ることは容易ではありません。
ネットの口コミの扱いと不動産業者の営業方法
Googleマップやネットの口コミが広がりを見せ、評価の低い不動産屋は営業が危ぶまれるようになっています。
不動産屋にとっては、適切なタイミングで、かつ顧客に負担を感じさせない営業手法を採用することが求められているわけです。
とはいえ競争の激化により、会社の方針として多少の迷惑をかけても、クレームが増えても、しつこいDMや営業の方が目先の利益が追える、といった現状もあり、無理のある営業手法を採用している企業もあります。
しつこいDMや営業電話に困ったときの対処法
ここではしつこいDMや何度もかかってくる営業電話への対処法を紹介していきます。
とはいえ基本的には「停止して」という意思表示をすることが重要なのですが。
受け取り停止の方法と手続き
- 大抵のメルマガやDMはその中に配信停止のURLが記載されている場合があります。そのリンクからネット上で自動停止をすることができるでしょう。
- 営業電話の場合、概ねスルーして留守電にしている人が多いと思いますが、このままだと間隔を開けながら何度も電話がかかってきます。最初の担当者からの電話がなくなったとしても、後任の営業マンからの打診や、新人営業マンだったり、事務員からだったり。1度不動産屋に登録された個人情報はカルテのように残り続けるのでコンタクトが取れそうな相手には折を見て電話をかける仕組みにしています。
- 個人宛てのダイレクトメール(封書)の場合も同様です。不動産屋としてはかなり費用がかかる広告なので、興味がない人には送りたくないのが本音。停止してと電話がかけてくるお客さん結構多いので、嫌なら停止してと電話してみるのもよいでしょう。
電話営業を断るための具体的なフレーズと対応策
購入希望者の断り文句は例えば以下のようなものがあります。
「ご提案ありがとうございます。ただ、現時点では必要としておりませんので失礼します。」
「すでに他の業者さんと契約しているため、ご提案をお断りさせていただきます。
「今後このような営業のお電話はご遠慮いただけますか?」
「お電話は不要ですので、リストから外していただけますか?」
「DMは不要ですので、止めてください」
「いま買うタイミングじゃないので、遠慮します」 *
「もうちょっと他の物件を探してみる」 *
「家族の/妻の同意が得られていないので探し直します」 *
こういったフレーズで断ればよいのです。
しかし(*)を付けたフレーズだと、相手の営業マンも引き下がることが考えられます。
>「いま買うタイミングじゃないので、遠慮します」 *
承知いたしました。ではいつ頃のタイミングで検討されてますか?またそのころお電話入れてもよいですか?
などと関係維持の返答がされる場合もあります。
>「もうちょっと他の物件を探してみる」 *
承知いたしました。ではお客様のご希望条件を伺いたいので、いちど来店してご相談いただけませんか?
>「家族の/妻の同意が得られていないので探し直します」 *
承知いたしました。では奥様のご意向や希望に合う物件を紹介することができますのでご来店いただくか・・
こういった具合です。
DMや営業電話の対応に困った際の相談窓口
本当に困った場合は以下に問い合わせしてみるのも手です。
消費生活センター
各自治体に設置されている消費生活センターでは、しつこい営業電話や迷惑DMに関する相談を受け付けています。対応策や法的なアドバイスを受けることができます。
宅建業法から見る不動産屋の禁止事項
宅建業法(47条の2や施行規則第14条の11) には以下のような、業務に関する禁止事項が定められています。
・契約締結させるため、相手を威迫する行為はダメ
・相手が契約締結しない意思表示(勧誘を受けたくない意思表示)をしたのに勧誘を継続することはダメ
・迷惑になる時間に電話したり訪問するのはダメ
・深夜や長時間の勧誘はダメx
・私生活や業務の平穏を害する方法はダメ
ですので基本的には意思表示をすれば、不動産屋はしつこい連絡をすることは出来ないのです。
宅建業法に違反してしつこく勧誘してくる場合は、その宅建業者の所在する県の不動産業課(自治体により名称は異なる)や、その宅建業者が所属する宅建協会に相談することをおすすめします。
宅建業者は知事の指示処分に怯えています。通報から立入検査が入れば指示処分、そこからさらに業法違反が露見したりすれば業務停止処分などもありえるからです。
違反してる宅建業者など通報してやればよいのです。
不動産業者との上手な付き合い方
上手な付き合い方というと簡単ではないと思いますが、業者に依存しすぎず、自らもインターネットや不動産情報サイトを活用して情報収集を行い、業者から提供された情報の裏付けを取ることも重要です。
購入ユーザーは不動産屋から必要な情報だけを提供してもらいたい、接触は最低限でいい、自分で物件を探したいと思うけど、不動産屋は物件を提案するために、より多くの情報をユーザーから提供してもらい、最適な物件を紹介したいと考えます。
「自分でも探してるから、物件情報は電話ではなくメールで送ってください」と言っておけばよいでしょう。これは若い人ほどその傾向があるように思います。
信頼できる不動産屋の見極め方
信頼できる不動産業者を見極めるためには、いくつかのポイントをチェックすることが有効です。
物件に関するネガティブな情報も隠さずに伝えてくれる業者は、顧客との信頼関係を重視している証拠だと思います。
さらに、業者の口コミや評判を確認することも重要です。Googleマップで不動産屋の評価を調べることで、他の顧客がその業者をどのように評価しているかを知ることができます。
この口コミは、どちらかというと不満に思った人が書く口コミです。つまり悪い口コミが多いのですが、思った以上に的を射ているケースが多いのでかなり参考になるはずです。
自分に合った不動産屋を選ぶためのポイント
これはもう複数の業者と対話をしてみることです。複数の業者と話をすることで、それぞれの提案や対応を比較し、最も自分に合った業者を選ぶことができるでしょう。
それに加えて、中の営業マンによってもだいぶ対応が異なります。業者や営業マン選びは、理想の住まいを見つけるための重要なステップですので、慎重に行うことをお勧めします。