この記事は不動産屋の従業員むけの記事となっています。

お客様(買主/売主)からの新規反響に対して、電話が繋がらなかったときのメール文例を記載していますので、コピペしてご活用いただいても結構です。

留守、というだけでなく、昨今のお客様は電話をお受けにならない場合が多いので、メールでのご案内がその後の維持関係の継続に重要になってきます。

お客様の要望をしっかり把握しつつ、適切なナビを文章でしていくことが求められます。

販売中の物件への反響に対する電話が留守だったときのメール文例

以下の5パターンに分けてメールの文例を書いてみました。参考になれば幸いです。

パターン1:物件の問い合わせのみで他の情報が無い場合
パターン2:希望価格帯と希望エリアが記載されてる場合
パターン3:内覧希望の問い合わせ
パターン4:内覧希望の問い合わせに対し、営業マンの都合が悪い場合
パターン5:資料請求の場合

お客様パターン1

物件Aへの問い合わせ。年齢、現住所、希望価格帯、希望エリア、ローン利用すべて未記入で不明。
購入への意欲度不明。
物件の◯◯を知りたい、相談したい、ローンが心配といった要望が書かれることが多いが、それも無し。

件名:お問い合わせいただきありがとうございます|◯◯市◯◯万円物件の詳細について

〇〇様

はじめまして。ABC不動産の◯◯と申します。このたびは、物件Aについてお問い合わせいただき、誠にありがとうございます。

お電話でのご連絡を試みましたが、繋がらなかったため、メールにてご案内させていただきます

物件Aにご興味をお持ちいただき、嬉しく思います。こちらの物件はまだ売れておらず販売中でございます。

もし、物件の詳細情報や周辺環境について知りたいことがございましたら、お気軽にお知らせください。例えば、間取りや設備の特徴、周辺の生活環境など、どのようなことでもご質問にお答えいたします。

また、実際に物件をご覧いただくことで、写真や図面では分からない魅力を感じていただけることもあります。まだ具体的にご検討されていない段階でも構いませんので「少し見てみたい」と思われた際にはお気軽にご相談ください。内覧の日時や方法については、〇〇様のご都合に合わせて調整いたします。

また、不動産に関するご相談(購入の流れ、ローンについてのご不安など)についても、喜んでお手伝い可能です。お客様のペースに合わせて、丁寧にご案内させていただきますので、どうぞご安心ください。

まずはメールにてご希望やご質問をお聞かせいただければと思います。もちろん、直接お話をご希望の場合は、改めてお電話やご来店の日時をご提案いただければ幸いです

〇〇様のお住まい探しがより良いものとなるよう、精一杯お手伝いさせていただきます。

どうぞお気軽にご返信くださいませ。よろしくお願いいたします。

こちらのお客様の事例は、スーモ等から問い合わせが来たものの顧客情報がほとんど記載されておらず、要望もすべて不明の場合に対応したメール文例です。概ねお客様側の状況が不明なのであらゆる状況に対応しつつプレッシャーを与えないように、不安を和らげつつ、次のアクションに繋げられるような文例にしてみました。あまり購入に前向きな印象が無い方ですのでテンプレートをコピーして送っちゃえばよいと思いますが、担当者の人柄に合わせて一言追加してもよいです。

お客様パターン2

物件Bへの問い合わせ。
希望価格帯1000万~1500万円の中古戸建て、希望エリアの記載あり。

お電話でのご連絡を試みましたが繋がらなかったため、メールにてご案内させていただきます。

物件Bは、〇〇様が希望される価格帯(1000万~1500万円)の中古戸建てで、希望エリア内に位置している点が非常に魅力的です。詳細情報や写真、周辺環境についての資料を添付しておりますのでご確認ください。

また、実際に現地をご覧いただくことで、物件の雰囲気や生活イメージをより具体的に感じていただけます。内覧の日程調整も承りますので、ぜひご検討ください。「ちょっと見てみたい」程度のご希望でも大歓迎です!さらに、物件B以外にも、同じ価格帯やエリアでご条件に合いそうな物件がいくつかございます。ご希望条件を詳しくお伺いできれば、よりピッタリの物件をご紹介させていただくことも可能です。

また、当社では不動産業者専用サイト「レインズ」や、未公開の新着物件もご紹介可能ですので、興味おありでしたらご相談ください。

ご質問やご希望がありましたら、ぜひお気軽にメールでお知らせください。また、ご来店やお電話でのご相談も随時受け付けております。

出だしと締めくくりの部分は省略しましたので重要な部分だけご確認下さい。

「希望価格帯」「希望エリア」と物件Bの特徴を関連付けることで、お客様の関心を引いているのと、「ちょっと見てみたい程度でも大歓迎」という表現で気軽に内覧を依頼できる雰囲気を作っています。

この時点でお客様から引き出している情報は希望価格帯とエリアのみなので、物件Bについてそれ以上のアピールは控えたほうがよいと思います。

またレインズや未公開物件の特別感で来店を促す文章もさらりと書きましたので、必要な部分をコピーして使ってください。必要以上に期待感を煽らないことも重要です。

来店を促してヒアリングするのが戦略として有効かと思いますが、最初の接触で顧客に安心感を与える対応が、長期的な関係構築によいのではと考えます。

お客様パターン3

物件Cについて内覧希望(25日11時)の通知がスーモから来た場合
当日営業マンの対応が可能な場合

25日11時での内覧を承りました。当日は〇〇様のご希望に応じて、以下のいずれかの方法でご案内が可能です。

・現地で直接待ち合わせ(徒歩でお越しの場合)(駐車場がございますのでお車でも可能です。駐車場がございませんので道路の空きスペースに停める形になります。等)
・最寄りの駅までお迎えに上がる
・一度当社にご来店いただき、営業車で一緒に向かう

どの方法がご都合に合うか、お知らせいただければ幸いです。

当日は何名様でいらっしゃいますか?
また、当日ご希望される内容(物件の詳細や周辺環境について知りたいことなど)があれば、事前にお伝えいただけるとスムーズにご案内できます。

よくある形ですが、どんな移動手段で現地に向かうかを確認しています。現地待ち合わせの場合は物件の住所番地をお伝えします。またカーナビやGoogleマップで場所が出てこない場合はGoogleマップのURLを記載するのが親切です。

お客様パターン4

物件Cについて内覧希望(25日11時)の通知がスーモから来た場合
当日営業マンの対応が難しい場合や、売主が居住中で都合がつかない場合

25日11時での内覧を承りたいところですが、あいにくその日時は他の予定が入っており日程を調整させていただければ幸いです。代わりに、以下の日時でご案内が可能です。

25日(木)午後3時~4時
26日(金)午前10時~18時
27日(土)午後2時~3時
28日(日)午前10時~12時

上記の中でご都合が良い日時をお知らせいただければと思います。また、別の日時をご希望の場合も、ぜひご相談ください。

内覧時は、現地での待ち合わせ、駅でのお迎え、または当社に一度お越しいただいてから営業車で行く形など、〇〇様のご希望に合わせて調整させていただきます。

当日の内覧が難しい場合は、別な日程の候補日をいくつかご案内するのがよいでしょう。営業マン主導で調整ができますがお客様が特定の曜日しか内覧できない場合もあるので、その点も配慮したメール文例にすると良いと思います。

お客様パターン5

物件Dについて資料請求がスーモから来た場合
他の要望等は書かれていない

物件Dについて資料請求をいただき、誠にありがとうございます。

お電話でのご連絡を試みましたが繋がらなかったため、メールにて対応させていただきます。

物件Dに関する資料として、販売図面(いわゆる「マイソク」)を添付いたしました。こちらには、間取りや物件の概要、周辺情報などが簡易的に記載されています。また、スーモに掲載している内容と重複する情報も多いですが、追加でご希望の資料がございましたら、ぜひお知らせください

一部の書類(例:登記簿謄本や公課証明など)は、個人情報を含むためご提供できない場合がありますが、お問い合わせ内容に応じて可能な限りお手伝いいたします

また、物件についてさらに詳しいご説明や現地でのご案内も可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
どうぞお気軽にご返信いただけますよう、よろしくお願いいたします。

物件Dについての資料請求だけが来る場合がありますね。問い合わせ画面に資料請求のチェックがあるからその通知が不動産屋に来てしまうものの、どんな資料が欲しいのか不明なため困惑する場合があると思います。お客さんも???不動産屋も???みたいになる。

不動産屋としてはマイソクしか送ることができない状況です。他の情報や写真はほとんど全てスーモに掲載しているのだから。そういった不動産屋の事情も考慮したメールの返信文例です。

物件アピールが良い場合/良くない場合

物件の特徴やアピールポイントをどのタイミングで伝えるかは、相手の状況やニーズがどれだけ明確になっているかによります。以下に、それぞれのアプローチのメリットと注意点をまとめました。

先回りしてアピールポイントを伝える場合

メリット:興味を引く場合がある
お客様がその特徴に価値を感じる場合、返信や行動につながる可能性が高まります。
例:「駐車場が広く2台とめられる」と聞いて「駐車場の広さは気になっていた」と気づく場合など。

デメリット:お客様のニーズとズレている場合に逆効果になる
例:「エアコンがわりと新品でいい」と伝えても「エアコンは今使ってるのを持っていく」というお客様には響かないかもしれません。

また、情報過多になりやすいのも気をつけてください。初めての連絡で多くのアピールポイントを伝えると、お客様が「押し付けられている」と感じることもあります。

物件のアピールポイントを控える場合

メリット:お客様自身のニーズを引き出すほうに集中できる
最初に詳細を伝えすぎないこととヒアリングに集中することで、「この物件は駐車場はどうですか?」などの質問が生まれ、自然な会話の流れでニーズを深掘りできます。

また、お客様のペースを尊重でき「押し売り」感がなくなり控えめな姿勢が安心感を与える場合があります。

デメリット:興味を引きづらい場合がある
アピールが控えめだと「この担当者は情報を出さない」と感じられる可能性もあるため、別途マイソクなど詳しい資料を添付する形で対応すると良いと思います。

お客様の現状やニーズにあわせて、アピール情報の量を調整すると良いと思います。

一括査定申し込みに対する電話が留守だったときのメール文例

お客様パターン1

一括査定サイトから申し込みがあった
「机上査定」希望と書かれていた。
住所などの情報が不正確かもしれない、Googleマップで現地の確認ができないとき

件名:査定のための住所確認のお願い|ABC不動産

〇〇様

はじめまして。ABC不動産の◯◯と申します。このたびは、一括査定サイトよりご依頼いただき、誠にありがとうございます。

査定を進めるにあたり、念のため物件の所在地について確認させていただきたくご連絡いたしました。
以下のリンク先に表示される建物が、査定対象の物件で間違いないかご確認いただけますでしょうか?

Googleマップリンク:こちらをクリック

もし異なる場合は、詳細を教えていただければと思います。

〇〇様の大切な不動産について、正確で信頼性のある査定を行うため、誠心誠意対応させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

一括査定を申し込みしたものの、物件情報が不正確なケースは意外と多いと思います。住所確認が済むまでは机上査定も進められないため、最優先で送るメールとなります。
他に聞きたい事項があればそれらも同時にヒアリングすればよいでしょう。

お客様パターン2

一括査定サイトから申し込みがあった
「机上査定」希望と書かれていた。
住所、築年数、土地、建物間取り等の基本的な情報は書かれている。
売主がスピードを重視してそうなときや、売却意欲があまり感じられないとき。

件名:机上査定の結果について|ABC不動産

〇〇様

はじめまして。ABC不動産の◯◯と申します。このたびは、不動産の一括査定からご依頼いただき、誠にありがとうございます。

机上査定の結果を取り急ぎご案内させていただきます

査定価格(概算):〇〇万円 ~ 〇〇万円
価格の根拠:同一エリア、近隣エリアでの取引事例比較
2020年 A市B地区 築30年 土地◯㎡ 建物◯㎡ 1500万円
2021年 A市C地区 築25年 土地◯㎡ 建物◯㎡ 1700万円
2019年 A市D地区 築20年 土地◯㎡ 建物◯㎡ 1900万円

こちらの査定額は、基本的な物件情報(住所、土地・建物面積、築年数など)および周辺エリアの直近の取引事例をもとに算出したものです。なお、より正確な査定額を算出するためには、訪問査定を実施することをおすすめしております。訪問査定では、机上査定では分からない以下のような点を確認することが可能です。

・建物や設備の状態(外壁や内装のメンテナンス状況)
・実際の日当たりや眺望、周辺環境
・駐車場や敷地形状など、生活の利便性に影響する要素
・増改築や法令適合性の確認

これらの要素により、机上査定額から上下に変動する場合がございます。

もし訪問査定をご希望される場合、〇〇様のご都合に合わせて調整させていただきます。ご都合のよい日時を3つほどお知らせいただければ幸いです。

候補日時1:  年 月 日 時
候補日時2:  年 月 日 時
候補日時3:  年 月 日 時

また、訪問査定についてご不明点や懸念がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。メールやお電話でのやり取りも随時対応させていただきます。

机上査定よりも訪問査定をしたいと思うのはどの不動産屋でも一緒ですが、メールで先に査定額を伝えるケースです。

問い合わせメールを読んでスピードを重視してそうな時は机上査定額を提示しつつ、訪問査定へナビするようなメールにしてみました。

お客様パターン3

一括査定サイトから申し込みがあった
「机上査定」希望と書かれていた。
売る意欲がありそうだけど、訪問査定に対して慎重な場合。(例えば相続した物件とか、現住所が遠隔地とか)

〇〇様の不動産について、机上査定の準備を進めております。

念の為確認なのですが、物件の場所は以下の建物でお間違い無いでしょうか。

Googleマップリンク:こちらをクリック

また、査定額に影響を与える以下の点について、簡単に教えていただけますと、より正確な査定が可能となります

・建物のリフォーム履歴(例:外壁塗装や内装工事など)
・増改築や
・実際の建物状態(築年数相応の経年劣化など)
・ペットやタバコの履歴

ご回答いただき次第、早急に机上査定の結果をご案内いたします。

いきなり机上査定額をお知らせして訪問査定にナビするか、査定額に影響を与える点をヒアリングしてから机上査定するかはお客様の状況を鑑みて判断してください。

お客様パターン4

一括査定サイトから申し込みがあった
「訪問査定」希望と書かれていた。
電話がつながらない。

件名:査定のご依頼ありがとうございます|訪問査定のご案内

お電話でのご連絡を試みましたが、繋がらなかったため、メールにてご案内させていただきます。

〇〇様のご所有不動産について、より正確な査定を行うために、訪問査定をおすすめしております。訪問査定では、建物や土地の実際の状態を確認し、周辺環境や物件の特徴を加味した査定額を算出することが可能です。

つきましては、以下の内容についてご確認いただけますでしょうか。

1. 物件の所在地の確認

物件住所:〇〇市〇〇町〇丁目〇番地
(正しい住所に修正が必要な場合はお知らせください)

2. 訪問査定の候補日時
訪問査定をご希望の場合、以下の日程の中でご都合の良い日時をお知らせください。

[候補日時1]
[候補日時2]
[候補日時3]

ご都合が合わない場合は、〇〇様のご希望日時を3つほど教えてください。

3. その他のご希望やご要望
査定にあたり、特に確認しておきたい点やご要望がございましたら、事前にお知らせいただけますと幸いです。
例:リフォーム済み箇所、売却希望時期、売却希望価格、現地での注意事項など

4. 当日の流れについて
当日は私ともう一名の女性スタッフの2名でお伺いする予定です。移動は社用車にて参ります。

訪問査定の際は、実際の建物の状態や周辺環境を確認させていただき、査定に必要な所要時間は通常〇分~〇分程度です。また、売却に関するご質問にもその場でお答えいたしますので、お気軽にご相談ください。

訪問査定希望のお客様に電話がつながらない場合も結構ありますね。つながるまで何度か架電すると思いますがつながらない場合はメールにて対応することになりますよね。

訪問査定の日時を聞くことと、当日行くスタッフについてと、流れについて軽く説明しておきます。

どうしても訪問査定アポを取りたい?

一括査定の場合、最初に媒介契約を締結した不動産屋の一人勝ちになってしまうので、すぐアポ取りして訪問査定に進みたいと思うことでしょう

しかし売主の心理や状況を慎重に見極めたアプローチをしないと、訪問査定への誘導が売主の意向に反していると感じられ、不信感を抱かれる可能性もあります。

一括査定は複数の不動産屋に連絡がいくので、複数業者からアプローチがあることは理解しているはずですが、ストレスになる場合もあるでしょう。

ということで、電話が問題ない売主なら架電をして、メール対応希望だったり、電話がつながらない場合は、上記のようなメールで対応すればよいと思います。